placardとは?

今年7回目を迎えるヘッドフォン・フェスティバルです. このフェスティバルでは, ライブパフォーマンスのために用意されたヘッドフォン及びネットワークという, 「リアルなサイエンス・フィクション」というアイデアを常に成長させていくことに努めています. 毎回が翌年のアイデアを引き起こすためのテストです.

2002年, 「72時間」のフォーマットを用いて東京とパリでフェスティバルを同時開催し(http://placard5.dokidoki.fr)成功を収めました. 各プラカー会場には3部屋あり, そのうちの2部屋はライブ・パフォーマンス用で, もう1つの部屋はもう一方のプラカーのライブ用の1部屋のストリームを受信する部屋でした. そのアイデアというのは, 目の前でライブをしている状況を, チャットやウェッブカムでの映像を交えてストリーム送信し, 2つの距離の離れたアパートメントのヴァーチャルリンクを作る, ということでした. 両方の会場に参加していた人々は, ときに日本語で, ときに英語で, ワイルドな72時間のパーティーが進むにつれ, コミュニケーションをとるようになりました.

パリでは, 何年間にも渡りイベントをオーガナイズしてきた(http://www.b-u-r-o.com)経験からいうと, パリのようなコンパクトな街では常に隣人のうちの少なくとも一人は雑音についての苦情を訴えてきます. 警察も見逃しはしません. ですが自分のアパートメントで行った第3回目と4回目のプラカーに関しては, きっと隣人が苦情を言ったのだと思いますが, その警察もうちのすぐ外の道を通り過ぎて行きました. でも警察がいくら今すぐパーティーをストップさせたくても, 人が話す声以外は雑音に対しての違反は無いので止めさせることは出来ません.

プラカーについての最も楽しいことの一つは, そこに集まってくる人々です. プログラムは, 「ワオ, 登録ページを見つけたよ!」といって登録フォームを満たしていくプロセスによって, 匿名性を持ってオンライン上で作られていきます. そのことによって, 興味深い, このフェスティバルにしか有り得ないミクスチャーのプログラムが出来上がっていきます. 人々が自然なフィルター(友達の友達からこのフェスティバルを聞いたんだ, など)を通して会場に立寄ることは, 実験的な方針をより明白にしてくれます.
聴衆に最高で12人しか持たない(1部屋に12台のヘッドフォンがあった場合)ことは, お互い知りあい同士ではない彼等に, 進行中の演奏のために特別な共有の瞬間をもたらします. また, 多くのクリティカルな話も飛び交います. 全ての人が一つのショーを始めから終わりまで視聴できないときは, お互いにその演奏がどんな展開になったか, と伝えなければいけません. このようなとても無秩序な構成の上では人々がミックスし合わないわけにはいかないでしょう.

2003年のプラカーのための次のステップは, 別の街の会場でもオーガナイズすることをより簡単にすることです. 東京のオーガナイザーslidelab(http://www.slidelab.com)に尋ねてみて下さい, 72時間のフェスティバルを開くというのは大変な仕事です.
そこで, 一番いいのはプログラムを95日間(2280時間)のオープンにし, いつ, どれくらいの長さで, というのを選択できるようにすることだと思いました.
最短は3時間, 最長では95日間のプラカーを開くことが出来ます.

自宅のアパートメントで, クラブで, ギャラリーで, 何所でも, プラカーを自ら開きたい人のための登録ページを作りました. その表には演奏者の登録と同様に, より数少ないオーガナイザーたちの名が各開催場所の隣に表記されます. また, ひとつのプログラムの中でいくつかの開催場所で代わる代わる共通の回線を使ってストリームすることも出来ます.
(多くの場合その地理的な理由で)あるプラカーに参加することの出来るミュージシャンは, 参加者用の登録ページを利用することが出来ます. これらの登録はe-mailを通じてプラカーの主催者に確認の通知がされます. 一度主催者が確認すると, この登録はプログラムの中に記載されます. もしもミュージシャンがいかなるプラカーにも参加できる立地条件でなければ, 彼には2つの選択肢があって, まずは彼自身が彼の演奏のためのプラカーを開催すること, もしくは”待ちリスト”に登録すること--これは彼の演奏希望日を地理的な位置を記憶しておき, もしも他のメンバーが集まったらメーリングリストが彼に通知をするしくみになっています.
72時間のプラカーでは常に登録のデッドラインがありましたが, 2003年のプログラムは, 自発的な組織者と殺到する登録によって永久に変化していくことでしょう.

(2003年のコメントより)

今年のplacard

今年も昨年同様, 95日間オープンのスタイルをとっています.
今年は日本では東京, 名古屋, 京都の開催が予定されています.
また、海外ではLondon、Leipzig、Parisなどでも開催されています。